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「日本で、公道レースを盛んにするとしたら・・・。」
 去年、ようやくWRCラリーが北海道で開催され、それなりに成功を収めました。 しかし相変わらず、それ以外の公道を使用したレースの可能性は望むべくもありません。
  今年の二月に、非難解除された伊豆の三宅島の産業復興策として、石原東京都知事が、 三宅島周遊道路でマン島のようなオートバイレースを開催してはというアイデアを掲げました。 コンセプトは最高です。ただ三宅島の地図をよく見ると、周遊道路は大半が海沿いの崖の多い道路なので、 レースには不向きです。三宅島復興のためというアイデアとしてはよいのですが、現実的ではありません。 むしろ、伊豆の大島のほうがはるかに可能性があります。
  大島の周遊道路は、半分以上、直接海に面していません。東京や伊豆方面からのアクセスする方法も多く、 宿泊施設も整っています。高速船で二時間以内で行けます。主催者は大手バイクパーツメイカーが集まって、 主催する組織をつくり、日本のホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキが資金を出し合えば、すぐにでも可能なのです。
  しかし、石原都知事の夢のあるアイデアに、どこの企業も、プランニングさえしようとしていないことが、 あまりにも情けなく思います。マン島では、プラクティスを含む四日間に、四万人もの観客が訪れるのです。 純粋にビジネスとして伊豆の大島を、タイムトライアル向けの公道サーキットの島として、プランニングすれば、 オートバイだけではなくカート、自転車からマラソンまで多岐に展開できるのです。
  ここに、『TT Circuit Guide』というDVDがあります。これはタイトルどおり、 マン島のサーキットガイドです。オンボード映像で一周約60kmの公道コースをすべて見せてくれます。 そして名ライダーであるD・ジェフリュースが各コーナーの攻め方やコーナーのライン取りを解説しています。 このDVDを見れば判るのですが、よほど危険な場所でないかぎりエスケープゾーンやクラッシュパッドを設けていません。 路面もなかなか良いとは言いがたいのですから、このコースを走ることは、サーキットなどよりはるかに難しく、危険です。 しかし主催者、出場者、観客、住民のすべてがとてもよいリンクの下に、このイベントを楽しんでいます。このマン島で、 レースが97年間も続けられてきているということが、最大の説得力です。このDVDはオートバイ関係の企業が見るべきです。
TT Circuit Guide
DVD/100分/英語/\5,250(税込)