ホンダNRヒストリー
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![]() 私がNRの楕円ピストン・ツインコンロッドをあまりに賞賛しすぎたからかもしれませんが、その方はアマゾンで探し、あまり苦労せず手に入れることができたとメールで知らせてきてくれました。 それから、4ヶ月ほどたって来店されたとき、なんとNR750に乗ってきました。めったにあるバイクではないのですがベストコンディションでした。 ![]() 乗り心地は、低速から高速までフラットにトルクとパワーがあるとのこと。フルカバードされた車体からV4の8バルブヘッドをうかがい知ることができませんでした。走行32000kmですが、もし白煙が出始めたらオーバーホールはできないので、展示モデルにならざるを得ないとのことです。手作りの楕円ピストンリングがもう存在していないし、作れる人もいないそうです。 それにしても当事、ホンダは2ストに勝るエンジンを楕円ピストンで作ってGPに参戦し、それを市販までしたことは凄いの一言に尽きます。 ![]() この本の著者の富樫ヨーコさんはまえがきで、NR関係者の方々の資料や原稿がそのまま使用されてこの本になっていると述べています。 この本を読んでいて感じるのは、いかにこの技術を実現したかですが、なにか魔術的なレベルの「技」があるように思えてなりません。普通の円形のピストンについているピストンリングは、徐々にピストンの円周に沿って回っています。楕円ピストンはピシトンリングが一箇所にとどまっていていますからピストンリングの合口がシリンダーに傷をつけやすく、リング全体が常にシリンダーの同じ所を擦ることになるはずです。レーサーは別としても、市販車にこのエンジンを載せたということは、この点をとってみても魔術を使わなければ、理解できません。 ![]() |