Clarkson 私、一応中型二輪免許持ってるんですけどね、もともと運動神経悪かったんで、免許取ったの、クルマより後なんですよ。それも、東京の渋滞があまりにひどいんで、バイクで間を縫ってやろうと思っただけで。んで「このまま乗り続けたら死ぬな」と思って1年でやめました。
 でも最近、『MOTO NAVI』誌に、なぜかバイクの連載が始まったんスよ! それで2か月に1回バイク(スクーターとか)に試乗することになったんで、突如、自分と思いっきりかけ離れた、超高度なライディングテクニックを解説するDVDが見たくなって、リンドバーグさんにこれを送ってもらいました。

 ビックリするくらいわかりやすかったです!
 たとえばハングオン。あれって、頭の位置は変えずに、腰だけ落とすんだ……。そーだったのか。新垣選手が「左に曲がる時は、まず左足でステップを蹴って(体重を乗せて)、次に右足(膝)でタンクを蹴って、右腕でハンドルを切って」って、スタンド掛けたまんまのバイクで実演してくれるんで、これはわかりやすい! 走ってたらたぶんなんもわかんないから。一連の動作を立ってやる姿は、空手の型みたいでステキだった。うーむ、ライディングは武道に通じるのか。
 それとヒザ擦り! あれって、バンク角を一定にするためのコンパスの役割だったんね! ぜんぜん知らんかった。バイクを傾けて、ヒザで角度を決めたら、あとは遠心力に身をまかせて曲がって行くんだそうです。そうだったのか! 身をまかせるのか! 流水の境地だったのか。うーむ。
 実際のサーキットアタックでは、CCDカメラで右手の動きが捉えられてて、それ見ると、コーナーによってブレーキレバーを握る指が、人差し指1本だったり人差し指と中指2本だったり。このあたり、自分とはまったく隔絶した世界を眺める快感に浸れました。
 筑波サーキットの攻略法のところを見てたら、バックストレートのブレーキングポイントが150メートル看板あたりからと猛烈に早くて、えっ、これ何キロ出てんの? って巻き戻したら、255キロくらい出てやんの! 狂ってる……。自分が乗った四輪で最高は、確かムルシエラゴの210くらいだけど、それでも鼻血が出るほど速いと思ったからね。それが、はるか手前で255。狂ってるわ。なんか爽快な気分になれたなぁ、自分とは無関係でも。

「WGPライダー 新垣敏之のアドバンス ライディングDVD」
DVD/英語/78分/PAL/税込価格 5,880円 (本体価格 5,600円)