ワルター・ロール ワルター・ロールがポルシェに乗ると、ポルシェと一体化したロボットみたいやんけ……。それはまさに正確無比な、なんでもできちゃう万能爆走ロボだわな。
 俺はこのDVDを見て、「人はなぜこれほど速く走りたがるのか」という、根源的な疑問に行きついたんよ。なぜもっと穏やかに暮らさないのか。こんな狭い道でスピード出して、なんかあったら誰が責任取るのか。こんなメチャクチャな運転して死人が出たら、古舘伊知郎は決して黙ってないだろう。ぎゃんぎゃん喚いて猛烈に非難するに決まってる。
 でも、古舘がなんと言おうと、ワルター・ロールは爆走する。恐れを知らぬ狼のように。

 とにかく、ワルター・ロールがポルシェで爆走してるんです。狭い道で狂ったようにスピードを出してます。我々日本人が、いくら危ないと言っても!
 こないだNHK教育テレビの『サイエンスZERO』って番組見てたら、なぜワルター・ロールがこれほど狭い道で飛ばすのか、その答えが見つかりました!

 それは、「新奇探求性」だそうです。
 新奇探求性が強い人は、ドーパミン等、脳内の神経伝達物質に対して鈍感で、何度もそれを要求するんだと。つまり、より強い刺激を求めるわけだ。かつ、恐怖に対して鈍感。冒険好きの鈍感野郎。そういうことです。
 これがですね、日本人とアメリカ人とで比較すると、圧倒的にアメリカ人の方が強いんだって! アメリカ人の8割は白人。つまり白人は新奇探求性が強い。だからこんな狭い道で飛ばす。そういうことだったんだよ!
 それは、原始時代からの長い長い年月、冒険した方が生き残る確率が高かった地域で育った民族と、冒険しない方が生き残る確率が高かった地域の民族の差だろう。「もっとなんか食い物ないか!」って冒険しまくってた狩猟系民族と、じっと耐えて耐えて耐えしのんだ方が有利だった採取・農耕系民族と。

 ワルター・ロールの冷徹無比な表情と、悪魔のような爆走ぶりを見てると、ああこの人の先祖は、ヨーロッパの暗い森の中で、狩りをして生きていたんだなぁ、と思います。このDVDには、狩猟民族の本質が出ています!

 この人の運転のDVDもっと見たい。

「Walter Rohrl : Eine Legende kehrt zuruck」
(海外向けのDVDプレーヤーが必要)
DVD/独語/50分/PAL
税込価格 5,880円 (本体価格 5,600円)