Special 2006 Side-Car/Quad 世にニッチな世界は数あれど、ここに紹介するDVDほどギュッとターゲットを絞ったものも珍しいのであります。その内容を一言で言えば、クラシカルサイドカーとモダンなクワッド(4輪ATVの過激なヤツ)のヒルクライムレースシーンのみで、なんと1時間42分、延々と構成されているのであります。
 時は2006年、ロケ地はフランス。主に東側に位置する7箇所の小さな村の ”公道!”を遮断して設定されたヒルクライムコースを、専用に仕上げたレーシングマシンが1台づつスタートして、ゴールまで突っ走っていく様子を延々と俯瞰で捉えているのであります。


どうやらこのイベントにはバイクも多数エントリーしているようなのですが、それらをバッサリと切り捨て、クワッドとサイドカーのみにしちまったところに、ディレクターの男意気のようなものを感じずにはいられないのであります。とまあ、それはいいとして、なんと言っても見所は時々チラリと登場するクラシックサイドカーであります。パッケージデザインから察するに、できるだけモダンなマシンのみで編集したかったのだろうけれど、カメラマンが好きモノなのか、パドックシーンでチラリとつまんだル・マン鶚やCB750フォアのヘッド周りを私は見逃しませんでした。さらによく見れば、たったワンカットではありますがノートンのロゴをあしらった妙にクラシカルなサイドカーも登場! きっとあれ、昔F2というカテゴリーで戦った、マンクスをベースにビッグフィンヘッドを搭載したレーシングサイドカーなのであります。
 一方アメリカではオフロードシーンで大活躍のクワッドも、フランスではオンロードのヒルクライムで人気爆発(ホントか!?)のようでありまして、デュアルパーパス風のタイヤをキュルキュルと空転させながら、大カウンターをあててタイトコーナーを曲がる勇姿は見ものであります。過激な2ストと、トルクの塊の4ストの一騎打ちが見もの。ビッグシングルが大好きな私としては、ヤマハのYFM(おそらく660をベースにチューニングしてる)が上位を占めているリザルトを見て、思わずニヤリであります。
 それにしてもフランス国内で6箇所も、堂々と公道でヒルクライムをイベントして開催できる環境そのものに、羨望の思いを強くする作品であります。バイクショップはもちろん、スポーティなお店のBGVとしても価値のある1本であります。
Yamahen

「Special 2006 Side-Car/Quad」
(海外向けのDVDプレーヤーが必要)
DVD/英語/本編125分/PAL方式/
税込価格 5,880円 (本体価格 5,600円)